MAMALAID RAG 楽曲解説
楽曲解説を連載の形で再スタートします。
毎回数曲ずつ各曲の完成に至る経緯、レコーディングのエピソード等
交えながら掲載していきます。
以前に引き続き、リリースしたばかりの楽曲をより深くみなさんに
楽しんで頂くため、詳しい曲ごとの解説をいたします。
なお、曲を聴いてから解説を読まれる事をお勧め致します。
MAMALAID RAG
田中拡邦
Various
MAMALAID RAG
第六回
アルバム「SPRING MIST」
TRACK 5 [MY LOVE]
マテリアルの作曲は2008年〜2009年頃。いくつものヴァージョンが存在し、この曲をまとめる際、その数あるパターンのパーツを組み合わせて作り上げた。
何度か言ったように、この曲はいつもと違ったアプローチで作曲されている。あえて普段は使わないメロディ・ライン、構成、何よりも曲全体のイメージに於いてである。それにより、ママレイド ラグの個性を消し、いわゆる一般的な意味でのポピュラリティを高めることに成功していると言える。「何でもない普通の曲」をつくる、という近年の田中の指向の一つのアプローチである。
インストゥルメンツは、ピアノを中心にアコースティック・ギター、エレクトリック・ギター、エレクトリック・ベース、ドラムス、タンバリンなどである。加えてイントロなどにはピアノに合わせて、あまり聞いたことのない音が鳴っているが、これは1960年代に登場した、アナログのサンプリング・マシン「メロトロン」のフルートの音色で演奏したものである(使用したのはそのメロトロンの音をさらにデジタル・サンプリングした音源)。「メロトロン」は非常に面白い機械で、鍵盤の数だけテープ再生装置が装着されており、鍵盤がスイッチとなって、押すとそのテープに録音された音が再生されるというものである。そのテープを取り替えれば様々な音源を鍵盤で演奏できる、というわけである。テープであるため、音は約7秒しか持続せず、さらに、テープの音質特性によりふらふらと不安定な音質で、それが非常にノスタルジックな雰囲気を醸し出す。
レコーディングは仕上げにこの「メロトロン」をダビングすることで終了した。
他の多数の曲と同様、サビに於けるヴォーカルはダブル・トラック。それにより、メロディをより印象的なものにしている。
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